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三菱重工工事技報 VOL.1 より

1-1

当社はこれまでに本州四国連絡橋(以下本四連絡橋)を中心に、我が国における主要な吊橋の主塔工事に参画してきた。即ち、Aルートの大鳴門橋3P塔、南備讃瀬戸大橋5P塔、現在工事中の明石海峡大橋2P塔等である。この工事に先がけて、長崎県平戸大橋をタイミングよく受注し、本四連絡橋着工前に貴重な経験を積む機会を得た。この他にも外国ではザイール国のマタディ橋、トルコ国の第2ボスポラス橋などがある。以下に各々の工事で経験した事を、主塔架設クレーンの施工を主体に振り返って見たいと思う。また、現在工事中の明石海峡大橋での架設クレーン等、大型機械に対する本州四国連絡橋公団(以下本四公団)の安全アセスメントの実施例を紹介し、架設工事における安全は設備面でどこまでカバー出来るかを検討する時、参考例として頂きたい。
1-2 東神戸大橋の主塔は、特に景観面を考慮した斬新なデザインのH型塔であり、その現場継手においても、架設方法や架設精度を考慮して可能な限り溶接接合を採用し、美観上の配慮がなされている。本工事は、阪神高速道路公団より三菱・川重・石播・宮地・東骨・日橋・トピーの7社のJVが受注し、主塔はP24が三菱重工業(株)、P23は川崎重工業(株)で製作された。架設は甲型JVで行われ、P24主塔は三菱重工神戸造船所がとりまとめて施工した。本文ではそのP24主塔の現場溶接について報告する。
1-3 斜張橋のような吊構造物の場合、ケーブル長さの調整でかなり自由に主桁形状を管理できる。このためには塔・主桁・ケーブルの各部材の負担が、計画値の中に収まっている必要がある。三菱重工業(株)では、昭和39年に斜張橋の第一歩として、神戸市の摩耶大橋を架設した。それ以来、シム量の増減により、ケーブル長さの調整(軸力導入)を計ることで、主桁の形状管理を行ってきており、その方法は時代と共に進歩してきている。特に、本州四国連絡橋の斜張橋など中央支間の長大化やキャンチレバー工法に合わせて、各種のセンサーとオンサイトコンピューターの導入で計測の自動化が進み、併せてリアルタイムな形状管理を可能にしてきた。本報告は、斜張橋の形状管理を目的として、首都高速道路公団の横浜ベイブリッジ(YBB)の自動計測システムをベースに、阪神高速道路湾岸線の東神戸大橋向けに開発し、実用化した架設精度管理システムの概要と今後の展望を、現地工事担当者の視点からまとめたものである。
1-4 日向ダム5号橋(橋名:ふれあい大橋)は、岩手県釜石市に建設中の多目的ダム、日向ダム建設に伴う市道付替工事の橋梁で、橋長273.5mの2径間連続斜張橋である。橋梁本体は、耐候性鋼材としている。山間部にあるので安定錆が出やすく、将来のメンテナンスフリーを考慮してのことである。また、支間長(152.2m+120.0m)に対し桁高が低く、スレンダーであるため、特に架設途上における耐風安定性と応力状態の変化に着目し事前検討を行った。主塔は逆V形状で、継手外面は美観に配慮した溶接構造にしてあり、主桁は逆台形1セルの鋼床版箱桁である。ここでは、当現場作業の特徴と形状管理を中心に報告する。
1-5 赤穂海浜大橋は兵庫県下でも有数の清流千種川の河口に位置し、都市計画街路の一環として県立赤穂海浜公園などのリクレーションゾーンより、赤穂義士で有名な赤穂城跡や大石邸跡を経て、山陽自動車道に通じる県道中広御崎線の一部をに任う橋梁整備事業である。本工事は鋼床版の2径間連続桁で、施工時の航路を確保するため、左岸側の1径間は桟橋使用のクローラークレーンベント工法で架設し、その桁上から右岸側の残り1径間を手延べ工法による送り出しで架設した。送り出し桁長は85mで、単径間の送り出し桁としては最大級の規模を有する手延べ架設である。本文では、その概要を報告する。
1-6 ここに紹介する日本道路公団「木曽川本川橋」は東海北陸自動車道の一部をなすもので、岐阜市の約10kmに位置する鋼3径間連続の曲線箱桁橋(R=700m)である。本橋は上り・下り線が共に2箱桁の4主桁から成り、この中の1箱桁を手述べ送り出し工法で架設し、残りの3箱桁は、この架設桁上を自動車運搬台車で引き出す。送り出し・引き出し後の桁降下は、いずれも桁降下設備(テンションジャッキ組込み)によって行った。本現場の出水期間中(6月〜9月)は河川内に仮設構造物の設置が不可能なため、建設省との河川使用許可条件で渇水期(10月〜翌年5月)に最初の主桁(BG-1桁)を手延べ送り出しで架設し、河川内ベントを撤去する必要があった。手延べ送り出し時の鋼重は590tで、残りの曲線箱桁3本は各々が重量約760tonに及び、橋梁工事の中でも数少ない大規模な引き出し架設工事である。
1-7 灘浜大橋は、ポートアイランドと六甲アイランドを結ぶ神戸市港湾幹線道路(ハーバーハイウェイ)のほぼ中間点、灘埠頭前面水路を横断する橋長400mのV脚ラーメン橋である。本橋の構造は、航路条件の確保、経済性及び施工性、環境との調和等の総合的な見地より5径間連続鋼床版V脚ラーメン橋が採用された。本橋は、スレンダーでスマートな景観を形づくるため、支間の長さに比べて桁高を低くしているのでフレキシブルな変形挙動を示す橋梁である。本橋のこうした構造特性を考慮して、詳細設計においては、FEM解析・風洞実験・制振装置など種々の設計検討を行い、十分な安全性が確保されている。ここでは、当現場で用いた特殊な施工法の概要を主体に記述する。
1-8 ベントの使用できない下路式アーチ系橋梁では、ケーブルエレクション直吊り工法で架設するのが一般的である。《中略》しかし、ここに紹介する大棚沢橋の吊下げ鋼重は1100tもあり、これまでの実績の2倍にもなる。架設計画の検討段階で、ハンガー関係の機材については、1点当りの吊下げ荷重が非常に重いため、当社の手持ち機材あるいは同業者からの借用機材でも対応できないことが判明し、特大の滑車や受梁用工事桁、更に数多くのケーブルバンドなど高価な新規購入品・製作材の必要が生じた。本報告は、この工事で新規に開発したケーブルエレクション直吊り工法のハンガー装置張力調整システムの開発経過に力点をおいて記述する。
1-9 近年、電算システムの発達で橋梁が大型化し、構造形式も景観を配慮したものが多くなり、複雑になって来ている。進歩の早い設計技術に反して現場の施工技術の改善・開発はまだまだ遅れており、早急な技術の改善・開発とこの技術習得が必要になっている。ここに紹介する信濃川橋は、R=1300m程の平面線形を有する2径間連続1柱斜張橋である。今回、当現場で安全且つ省力化の施工を目指して斜張ケーブル引き込み装置を開発し、設計・製作したので、その概況を報告する。
1-10 《前文略》当社の橋梁架設工事のH2年度施工実績を工法別に分析した結果を示すと全工事量の75%にベント工法が採用されていることがわかる。ベントの稼働率は当社の他の機材稼働率に比べて非常に高く、綿密な調達計画により運用されてはいるものの、断面形式によってはしばしば絶対量が不足しがちとなり、協力会社からの借用、リース補充、計画よりも能力アップの当社保有材でまかなうなどで対応している現状である。頻度の高いベント使用の工種が、架設コストにどの程度の影響を与えるかの試算結果(この設備の組立・解体労務比率が高い)を踏まえ、ベント機材の省力化に着目し開発を試みることにした。本報告は伸縮ベントの立案から実機製作、かつ実橋架設工事への適用実施の結果について延べるものである。
1-11 本橋は、主要地方道名古屋・祖父江線で、名古屋鉄道を横断する2等格橋梁跨線橋として昭和7年に架設されたものであるが、近年の車輌交通量の増加に伴い、下部工は既存のものを使用し、上部橋桁の1等橋への架替えが実現したものである。計画段階で諸種の工法を検討し、跨線桁全体を一括撤去・架設する工法を採用することとし、通常では4ヶ月程度の工期を必要とする工事を総工期2ヶ月、通行止期間6週間の短期で施工した。
1-12 千葉都市モノレールは、首都圏の中核都市の一つとして、今般、全国12番目の政令指定都市に昇格した千葉市に都市機能の充実の一環として慢性化した都市交通渋滞の緩和及び公共交通機関のサービス向上を計るため、昭和52年に事業化が決定された。現在、2号線(千葉〜千城台駅、延長12.1km、平成3年6月営業運転開始)は、完成し、1号線の中央港駅〜市役所前駅間を工事施工中である。MAL工法・MEG工法
1-13 高さ150m以上の電力会社向大型鋼製煙突は、多脚型、鉄塔型の二つのタイプに分類され、両者を合わせた三菱重工業の納入実績は、80%のシェアを誇る。特に多脚型は、筒身と筒身を繋ぎ梁で取合い、筒身本体を構造体とする世界に類を見ない三菱独自のラーメン構造である。多脚型煙突の架設工法は、昭和45年以来、三菱重工業・建設課時代に開発し当社として標準タイプのポストクレーンを使用してきたが、筒身架設の進捗にあわせて、盛り替え作業の生じる架設梁の設置、撤去作業は危険を伴う困難な高所作業であること、更には特殊技能を持った作業員の層が薄くなっている昨今の実状に鑑みて、この工法・機材の早急な改善検討の必要性を痛感していた。この度、中部電力・尾鷲三田火力230m煙突受注をよい転機として捉え、安全性の向上及び省力化を目指した鉄構工事部総出の重要なテーマに掲げて長尺ポストクレーン工法の実用化に取り組み、十分な成果を得たのでその報告する。
1-14 《前文略》近年は若年層の3K作業への敬遠と斫り工の老齢化によりこの種の絶対人数の不足という現象が生じており、また昨今の工事量の輻輳した状況下にあっては、なおさら深刻な問題になっている。今回斫り専門職の不足解消を図る対策の一環として、大がかりな設備と段取りを必要とせず、既存の機械を応用したライニング解体工事機械化工法の開発実用化テストを行った。
1-15 1998年1月スリランカのセイロン電力庁より、サマナラウェア水力発電所向け水門扉及び水圧鉄管を設計、製作、現地据付及び試運転のターンキー工事として受注し、1991年4月工事は完了し、全設備を客先に引き渡した。工事範囲はダムの洪水吐設備と低水放流設備、発電用の取水口設備及び水圧鉄管等であり、SMKMJV/(住商、三菱、栗本、丸島)で受注したが、現地据付工事は当社が全て担当した。設備の概要・特徴について述べると共に、約3年にわたった現地据付工事を通して得た貴重な体験について延べる。サマナラウェアダムプロジェクト全体は、60MW(将来計画120MW)の水力発電と河川流域の治水を目的に、日英共同融資の下に総額約500億円の規模で遂行されたプロジェクトである。
1-16 東京電力(株)蛇尾川揚水発電所は、栃木県北部に位置し黒磯市と塩原市を流れる那珂川水系小蛇尾川の支流鍋有沢川の最上流部に上部ダム、鍋有沢川と小蛇尾川の合流点に下部ダムを新設し、この間の有効落差338mを利用した最大出力90万kWの発電所である。本文で紹介する現地片面自動溶接システム(MU工法:Mitsubishi Uranami)は、52.5°の傾斜勾配をもつ斜坑直管(延長463.5m、鉄管内径6.3m、板厚22mm〜53mm、材質HT80・SM58・SM50)部に全姿勢片面溶接工法を採用して施工されたものである。
1-17 昭和44年2月に建造された住友金属(株)和歌山製鉄所10万m3高炉ガスホルダー(BFG)は、幾度かの補修工事を繰り返して稼動運転してきたが、20数年にわたる結果、ピストン側部ローラの繰返し荷重の影響で側板に歪が発生し、ピストン・側板間のガス漏れを発生させる要因となった。ガス漏れが発生するとピストン上での点検・保守が困難となるばかりでなく、ホルダーの寿命を縮めることになる。このホルダーは、高炉から発生するガス量を調整する重要な役割を持っているので、やたらに運転が休止されれば、製鉄所全体の稼動に影響を及ぼすことになる。このような事態を防ぐ為、歪が著しくなる前に一番使用頻度の多い14〜41段の側板を更新することになり、今回その更新工事を無事に完工させたので、その概要を報告する。
1-18 最近、我国では、河川の改修事業において、固定堰を積極的に可動堰に改修する方向にある。この可動堰として、転倒型ゲートを採用されるケースが多く、当社でも1件/年程度の工事を行っている。この種工事は、据付コストが全体コストの35%程度を占めて採算が厳しいのと、最近の現地工事における労働者不足などの市場状況から、現地工事の改善、簡素化が特に必要である。また最近では、この種ゲートにゴムメーカーが『ラバー・ゲート』の売込みを図って、近畿地方でかなりの実績を残しており、コスト競争力の面からも強化の必要性を感じる。『兵庫県大馬井堰ゲート』において、<置くだけ工法>の発想で据付工法の改善を行ったので、この概況を以下に報告する。
1-19 水道鋼管工事等で、トンネル内での溶接や通風の悪い鋼管内面の溶接工事にあっては、溶接ヒュームの濃度が著しく上昇するので、強制換気設備を設けて換気を行わなければならない。この時、屋外に設けた排気口からは高濃度の溶接ヒュームが排出される。そのため、市街化地域では周辺住民の環境保全の見地からなんらかの対策を講じることが、時代の趨勢となりつつある。この対策措置として、衆知のものに集じん装置および排気煙突がある。前者の代表的な例としては、排気口に設置する電気集じん機があるものの、構造が複雑で巨大となりメンテナンスが容易でないため、短工期の水道鋼管工事ではほとんど用いられず、汎用性のないのが現状である。一方、後者の排気煙突は簡単に設置できるため、市街地の工事現場で一般的に用いられてはいるが、排気をそのまま直に排出している。このため最近の事例では近隣住民・客先等から溶接ヒューム総量の減少と独特の臭いの脱臭を要望されることも次第に出てきている。本報では簡単な構造でありながあら、溶接ヒュームの集じんと脱臭、それに拡散とを可能とする当社で開発した溶接ヒューム除去装置について述べる。
1-20 開閉式屋根の軌条設置と駆動装置部の据付けは、平成2年、西宮市にある武庫川学院のプール棟円形屋根で手懸けた工事を第一歩として、その後引き続き東京の有明コロシアム屋根、宮崎のフェニックスオーシャンドーム屋根で同種工事をまとめてきた。その間、屋根の規模と共に構造自体も多様化してきている。本文は世界で2番目の旋回型の大型開閉屋根となる、福岡ドーム開閉屋根の軌条設置とその調整方法の概要をまとめたものである。
1-21 《前文略》三菱重工工事は、橋梁・煙突・タンク・ガスホルダー・水圧鉄管・水門など現地据付担当機種が多岐に亘っている。工事量の50%を占める橋梁工事は3支社に共通しているが、その他の機種はそれぞれ特定の1支社が担当している。そういう事情が重工工事機材(株)の機材管理を複雑にしている。日本架設協会機材部会加盟各社のなかで、3種以上の機種を実際に施工しているのは20社のうち約半数だが、機材部会編集の各社所有機材調書の内容をみると、当社はこれに該当しない他機種用の物が多数あり、管理する機材の種類が多い点では群を抜いている。当社の機材管理業務は、この多機種の機材によって規制されるところが多い。
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