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三菱重工工事技報 VOL.5より

5-1

本橋は名古屋市内の第二東名高速道路と国道23号が重複する区間に建設された高架橋である。架設地点は住宅地と丘陵地に囲まれた地形の中に、国道23号はじめ生活道路すべてが集まった交差点上となっている。以上より本橋の架設方法は「多径間連続送出し工法」により限定された。また、送出し作業は社会的な制約条件より2〜3ヶ月に一度の夜間集中工事下の交通規制時に限定された。さらに、送出し速度は夜間の12時間で130m(最大)という過去の実績を大きく上回る速度が要求された。当社の工事実績によれば、本橋の先行工事として施工された東海大府高架橋工事において、1晩で64mの送出しを実現している。従って本橋では、前述の工事等で得られた知見を発展させて、大反力対応の連続送出し装置、軌道修正装置および反力の自動制御システム等の新技術を開発し、システムと連動した迅速かつ確実な指揮命令系統を構築して工事を実施した。その結果6回の送出しを全て交通規制時間内に無事完了した。本文では、本工事の施工にあたり開発した各装置、システムの紹介と未経験工事への取組みに対して得られた各種教訓について報告する。
5-2 本橋は、上杉謙信公の幼年期の居城「春日山城」の城下町新潟県上越市の中心部に架かる大小2連の単弦ローゼ橋で、橋名には市民ゆかりの「謙信公」の名前が冠された。大小のアーチは、市街地より遠望する妙高山と南葉山をイメージしており、完成後は市民のランドマークとなることが期待されている。本橋は県内最大級のアーチ橋となるが、アーチリブは全断面溶接で架設にも特異な工法を用いたので、その施工の概要を報告する。
5-3 本橋は、北海道の旭川市中心を流れる忠別川に架かる神楽橋の架け替え工事である。現在の神楽橋は幅員が狭く交通量の増加により交通渋滞が発生している。また旭川周辺では新たに形成される行政の整備事業が進められており、本橋の架け替えもその整備事業の一環である。本橋は、上下線2橋並列の斜角を有する単弦ローゼ橋で、単弦のアーチ断面は落雪防止対策を考慮した逆台形の構造である。さらにアーチライズは近隣する神楽岡公園に配慮して低めの高さに抑え、また車窓からの展望に配慮して吊材は2本の並列パイプで透過性をもたせ開放感を与える構造形式となっている。
5-4 一般国道357号横浜ベイブリッジ架設工事は、横浜中心市街地の交通混雑緩和、国際港横浜の物流機能向上を目的として、既設横浜ベイブリッジ斜張橋のトラス桁下路部に一般国道(橋梁構造)を建設する工事である。架設地点が横浜港国際航路上で船舶の往来が多く、また上路部が高速道路として供用中のため、斜張橋のトラス構造内の狭隘なスペースでの作業環境と防護設備、仮設備用中長大橋の振動、移動量の問題が本工事の課題であった。
5-5 本煙突は、東京電力(株)殿が茨城県東海村の常陸那珂港に建設する石炭火力発電所の大型超高煙突でかつ地域との景観、周辺機器とのバランスを考慮した景観調和型の煙突である。夜になると七色に変化するライトアップ装置を備えており、地域のシンボルタワー的な役割も果たしている。構造は従来の鉄塔支持型と違い、八角クロススパイラル鉄塔型(双筒八角鉄塔型煙突)と称する形式を採用している。鉄塔に鉛直支持材が無く、交叉斜材により支持する異型トラス鉄塔で、水平材(2方向)、構面材(1方向)、斜材(4方向)の交叉部に隔壁継手を採用している。本稿では、八角クロススパイラル鉄塔型煙突の架設新技術として、650tクローラークレーン及び160t大型タワークレーンを使用した鉄塔・筒身・EVSの大ブロック架設の方法及び、架設時の鉄塔・筒身・EVSの精度確保について概要を紹介する。
5-6 底鋼板とコンクリートからなる橋梁用の合成床版は合成構造として高い強度を有し、現場においても底鋼板が型枠として利用できる等の多くの利点を持っており、合理化鋼橋への採用事例は増加傾向にある。しかし一方で、合成床版は型枠兼用の底鋼板や架設時の死荷重(主にコンクリート自重)を支持するために多数の補強リブ等の補剛材料が必要となり、経済性・製作性の面からの改善要求だけでなく、力学性状として異方性を呈することも指摘されている。それらの問題を解決すべく、筆者らは工場にて一括先打ちしたコンクリートに補強リブの役割を受け持たせることにより、底鋼板の補強リブを全廃し、溶接を不要とした合理的、かつ経済的な構造の合成床版、即ち、リブレス合成床版−ダイヤスラブを開発したのでここに紹介する。
5-7 本州四国連絡橋、アクアライン等のプロジェクトが完結し、バブル崩壊後の景気低迷、公共投資の縮減という大きな社会情勢の変化の中で、建設業界は低成長時代への移行に向けてコスト縮減、体質改革に迫られている。こういう厳しい状況のもと鋼橋分野においても合理化、コスト縮減のために新構造形式、新工法の開発が行われているが、その中で最近採用実績が増加しているのがPC床版を有する少数主桁形式連続桁である。この形式は床版に従来のRC床版に代えてPC鋼線による緊張でコンクリートの耐力を向上させたPC床版を用いることで鋼主桁の間隔を従来の3m程度から15m程度以上にまで広げたものであり、これによる主桁数の減少・横構の省略による部材数の大幅削減と構造の簡素化等によりコスト縮減を図ったものである。PC床版はプレキャストPC床版と場所打ちPC床版に大別できるが、本報告では場所打ちPC床版について当社の施工実績をもとに設計・施工にあたっての留意点について述べる。
5-8 1.橋梁維持補修事業の背景
21世紀は保全の時代と言われている。高度成長期に建設された、橋梁を含む道路構造物の老朽化が10年後から20年後にかけて飛躍的に増加すると予想されている。具体的数値で示すと、建設後50年以上経過した橋梁が10年後には現在の約4倍に増加し、さらに20年後には現在の約17倍にも達し(国土交通省HP)、まさに維持保全・補修が将来の最重要課題としてクローズアップされてきた。将来ではなく、ごく直近の現状ではどうかというと、道路構造物の高齢化が本格的に進みはじめ、橋梁維持管理・更新新時代の入り口にさしかかっているといえる。また現実的には、橋梁を管理する各機関の維持管理費が増大し、しかも急増の気配を見せており、将来の橋梁維持管理問題の重要性を暗示しているように思える。《以下略》
5-9 建設後、数十年を経過した橋梁の健全性を確認するためには、客観的でかつ経時変化の把握可能なモニタリング・診断技術が必要であり、当社はこの技術開発に取り組んできた。特に、橋梁の安全性の確保に際しては、床版および鋼桁の診断が重要である。以下では先に紹介した“三菱の橋梁リフレッシュ技術TECHNICAL GUIDE”の中に示されている、最新の画像処理技術を導入し判定精度を平準化したデジタルカメラによる床版劣化判定システムと、既設鋼構造物の耐荷力評価や長期的な応力モニタリングに有用と考えられる磁気歪を利用した内在応力測定法の2つのモニタリング・診断技術について述べる。
5-10 かつての古い基準で設計・施工されている道路橋RC床版は、近年の車輌の大型化および交通量の増大等の過酷な条件の中で、床版厚や鉄筋量の不足などによる損傷のため補修・補強を必要とするものが少なくない。RC床版の補強工法としてこれまで一般的に採用されてきたものには、鋼板接着工法、上面または下面増厚工法、縦桁増設工法、最近では炭素繊維シート接着工法などがあるが、これらの補強工法には、死荷重の増加、補強後の維持管理、交通規制の必要性、材料価格などの点でそれぞれ課題が残る。本研究は、これらの問題点をできるだけ改善し、より合理的な補強工法の開発をめざして軽量で耐食性に優れ比較的安価なガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastic,以下GFRPとする)に着目し、検討対象として選定した架設竣工後40年を経過した実橋(以下A橋とする)に対して提案する補強構造の適用性の検討を行うものである、そして、A橋の部分模型供試体を製作して静的載荷試験および疲労試験を通して補強効果および施工性について実験的に検証する。
5-11

箱桁断面の橋梁部材には、その添接部からの浸入雨水が内部に滞水し、腐食によって添接部も含めて断面欠損が生じて断面補強が必要となる場合がある。箱桁部材添接板の腐食減肉対策として、ここでは高力ボルトとエポキシ樹脂接着剤を併用して重ね板で補強する工法を考案し、この工法の有効性を各種試験にて確認した後、実橋の部材継手部腐食添接板補強に適用した。本報では、本工法の実橋適用後2年経過した時期をとらえ、樹脂接着剤の耐久性、劣化や高力ボルト軸力変化などを確認した結果を報告する。

5-12 阪神・淡路大震災から早くも7年半経過した。震災以後各地で既設橋の耐震対策、維持補修工事が実施されてきた。その中で当社が施工した補強工事のうち、補強工事の大きな特徴である多岐に渡る複合的工種をかかえていた、大阪市「十三バイパス高架橋耐震対策工事−6」JH「大泉高架橋桁連結工事」の工事内容の一部を報告する。
5-13 本工事は、東京電力(株)千葉火力発電所の旧1〜4号発電設備の老朽化に伴う解体撤去工事の内、ボイラー建屋の解体工事である。工事は大成建設JV殿が受注され、そのうちのボイラー建屋の解体に当社のジャッキシステムを用いて工事が行われた。ボイラー建屋は、超重量物であるボイラー本体がボイラー鉄骨頂部トップガーダーから吊られている構造で、解体時の安全確保には非常に高度な技術を必要とする。本工事では、ボイラー及び建屋を地上で安全に解体する為、地上約20mまでボイラー建屋をジャッキダウンし、地上解体重機で小ばらしを行うものである。当社は、煙突架設用ジャッキ装置(450t×4台・300t×4台)と新たに製作した450t×2台のジャッキ装置を提供し、装置の据付・ボイラー本体とジャッキを支える架設梁の設置及び、ジャッキダウン作業を担当した。以下に、工事概要及び、ジャッキダウンシステムの概要について報告する。
5-14 煙突は建設されて30〜40年経過したものが多く、この間に34回の補修塗装工事が実施されているが、下処理については3種ケレンで塗り重ね仕様のために厚膜化し、また下側の旧塗膜の寿命による補修塗装後の早期剥離などの問題が発生している。表-1に各種要因が塗膜寿命に及ぼす影響を示すが、この中でも塗装前の下地処理(素地調整)は塗膜寿命に与える影響が最も大きく、素地調整グレードを確保する施工管理とが重要である。これに加えて塗装施工上の大きな問題は飛散の問題であり、高所作業となる煙突補修塗装の場合は特にブラストや塗料の飛散防止対策が重要である。当社では三菱重工業(株)と共同でこれら補修塗装の技術開発に取り組んでおり、以下にその概要を紹介する。
5-15 ガスホルダは製鉄所などで発生する副生可燃ガスを有効利用するための省エネ用貯蔵設備である。同設備の特長は内部にガスの需給変動に応じて昇降する大型のピストンを備えていることであり、ピストン摺動部のガスシール性能が、運用上最も重要な機能となっている。しかしながらシール部を詳細に点検するためにはガスホルダの運用を止める必要があり、操業を妨げない簡易点検法の開発が強く求められている。本論分ではこのようなニーズの一端に応えるべく開発したシール油内観察装置と側板局部変形計測装置について紹介する。
5-16 前文略》東京都の例をとってみると、下水処理場・ポンプ場は昭和60年代、管きょは昭和40年代より老朽化の時代に入ってきており、老朽化の加速度は平成の時代に急激に高まっている。これに対応して平成8年に完成したPSライニング工法に賛同する11社が平成12年に下水道防食協会を設立した。当社も下水道防食協会の指導のもと、技術習得及び営業活動を積極的に展開し、今回佐世保市針尾下水処理場内部防食工事を平成13年12月に受注、平成14年3月工事完了したのでこれを例にとって下水道防食工事について報告する。
5-17 当社は、昨年(平成13年)およそ半年の準備期間をかけて、技術をベースにして安全管理と品質管理を統合した全社の統一の業務マニュアルである「安全品質マニュアル」を構築し、ISO9001(2000年)の認証を取得した(平成14年1月1日付け)。本文では、「安全品質マニュアル」の内容と特長及び今後の当社の安全管理と品質管理の業務の仕組み・やり方について紹介する。
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