すいすいMOP(Module On Pier)工法は、工期の短縮と二次渋滞の解消という立体交差事業におけるトレードオフ問題を解決するために、エム・エム ブリッジ(株)と戸田建設(株)が開発した急速立体交差技術である。両社が得意とする技術(モジュール桁工法と橋脚柱先行建て込み工法など)を融合したものであり、従来工法並みの工費で、現地工期を約4.5ヶ月に短縮した。
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図−1「すいすいMOP工法」における右折車線確保イメージ図 |
すいすいMOP工法における開発目的は、以下のとおりである。
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(1)施工中も右折車線確保
鋼桁を折りたたむ「モジュール桁工法」を採用することで、施工中でも、交差点部において右折車線を確保。(工事に伴う2次渋滞を軽減)
(2)組立用地が不要
従来工法では、適当な場所に、組立ヤードとして、別途、用地を確保する必要があったが、本工法では、現有道路の一部を組立ヤードとして利用するため、組立用地は不要。
(3)大幅な工期短縮
「モジュール桁工法(鋼桁)の採用」と橋脚柱先行建て込み工法による上部工と下部工の「同時施工技術の採用」などにより大幅な工期短縮を実現。
(標準タイプで現地工期4.5ヶ月) |
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高架道路は、図−2に示すように、主橋梁部と取付部からなり、主橋梁部は鋼製の橋桁と橋脚柱、取付部は盛土で構成されている。
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図−2 高架道路の構造形式模式図 |
主橋梁部施工における大きな特徴は、「モジュール桁工法」と「橋脚柱先行建て込み工法」を組み合わせた点にある。モジュール桁工法は橋桁(上部工)のコンパクト化技術であり、上部工を道路横断方向に折りたたんだ状態で、運搬から据付けまでの一連の架設作業を行うことができる。これにより、施工時占用幅が縮小し、交差点部における右折車線の確保が可能となる。「橋脚柱先行建て込み工法」は、杭と橋脚柱を機械的に先行接合することで、フーチングコンクリートの後施工を容易にする技術である。この技術の活用により、上部工と下部工の同時並行作業が可能となり、大幅な工期短縮が実現される。
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図−3 モジュール構造 |
モジュール桁工法における基本要素的構造であり、工場にてプレファブ化された部材(橋桁)を、コンパクトに折りたたむことができる構造である。
現地据付け後、所定形状に展開することが可能であるため、施工時占用領域を大幅に縮小することができる。
(右折車線確保、2次渋滞軽減)
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